復興編

ガレキ撤去ボランティアが終了し、全国からのボランティア参加は終了。

ここからReRootsは、復興期における農業・景観・コミュニティの課題に取り組み始めます。

2014 復旧段階の終了/復興に向けた取り組み1年目

おいもプロジェクト

震災復興企画として誕生したおいもプロジェクト。年3回にわけて開催しており、1回目には苗植え、2回目にはさつまいものつる返し、3回目には収穫したさつまいもと若林区沿岸部の野菜をふんだんに使用した料理を食べてもらい、ファンの形成と魅力発信を目指しました。地産地消や農村文化の体験ができ、現在は毎年のべ約100名の方が参加する子供に大人気の企画になっています。

田んぼプロジェクト

津波被害を乗り越え、米作りを再開した若林区沿岸部の農家を支援することと、都市部の住民を参加対象として、田植えから稲刈り、食べるところまでを地元の農家と共同する企画です。米作りを通して、若林区沿岸部の魅力を感じてもらい、地域のファンになってもらうことも目的としています。地元の農家に参加者も消費者の対象であることを知ってもらい、消費者を意識した生産のきっかけとなることを目指しました。

ひまわりプロジェクト

津波被害が甚大であった若林区沿岸部の景観の再生、人の往来づくり、地域コミュニティの再生を目的とした企画です。東日本大震災によって豊かで美しい農村風景はモノクロ写真のように殺風景になってしまいました。そこで、農家に休耕地をお借りして年2回遠方のボランティアや地元の子供たちと種植え、種の収穫、他にもひまわりを使ったお楽しみ企画を開催しました。被災した畑に咲く元気なひまわりは住民に勇気を与えました。

くるまぁと

被災後に営農を再開した農家から野菜を卸してもらい、毎週土曜日に仙台市の中心部で販売し、農家の努力や復興の様子を伝えるアンテナショップとして2014年8月30日に誕生しました。
「人と人、地域と地域をつなぐ架け橋となる」というコンセプトを掲げ、被災した人の集団移転先の荒井地区のコミュニティの活性化にも努めました。このコンセプトに基づき、車の装飾からポップを含め細部までこだわり、お客さんの交流の場を生み出せるように工夫を凝らしました。
また、荒井地区だけでなく様々なイベントでも野菜販売を行い、若林区沿岸部の魅力を発信してきました。

2015.12 「せんだいわらアート」の誕生

津波での甚大な被害を乗り越え、再びお米が収穫できるようになった田んぼの稲わらを使用したアート作品「わらアート」が誕生しました。わらアートは高さ約5メートルもある巨大なオブジェです。若林区沿岸部の「復興のシンボル」です。毎年ReRootsの学生たちがアートを制作し、若林区沿岸部の魅力を発信することで人の往来を作っています2015年は地下鉄東西線開業を記念して、荒井駅や卸町駅に展示したことをきっかけに、2016年からも「わくわくドキドキ5感で楽しむ若林実行委員会」にReRootsも参加することで、継続してわらアート作品の制作をしています。現在は被災からリニューアルオープンしたせんだい農業園芸センターでの展示を毎年行っており、毎年のべ約7万人を集める地域の一大イベントとなっています。今後も地域に根付づいた政策となるように活動を続けていきます。

2018~2019 地域おこし政策研究とパンフレット化

2021年に控えていた地域おこしへの移行へ向けて、地域の課題を再調査し、復興の先にある地域おこしをいかに構想していくかを模索しました。今後を展望して、復興・地域おこし政策の現状分析編とともに、「ひなびた持続する農村」と「高齢者の元気な村づくり」を目指すための地域おこし編のパンフレットを制作をしました。

10年後の若林区沿岸部を考える

農業面は2014年から若林区沿岸部地域は「農と食のフロンティアゾーン」と名付けられ、大規模化・法人化・六次化が進められてきました。たしかに、被災からの農業再生は進んできてはいますが、10年先を見据えたときに農家の高齢化により、地域農業の持続が可能は困難になるでしょう。そこで、今後いかに法人経営を安定させることができるか、新規就農者を育成することができるかが課題となってきます。
また、コミュニティの面では、被災後を経て地域にも活気が戻りつつありますが、高齢化・過疎化の問題は深刻です。10年先を見て、高齢者がいきいきと生活できる地域福祉の形成と地域行事や資源を活かした人の往来づくりが重要になってきます。
これを受けて「ひなびた持続する農村」と「高齢者の元気な村づくり」を目指して、地域おこしの政策を行っていくことになります。