住民主体のコミュニティ・福祉づくり

コミュニティ・福祉づくりとして、住民の日常生活における困りごとについて調査である福祉調査を行っています。また、配食サービスや有償ボランティア、空き家問題、移動問題、介護予防についての他地域での取り組みの研究にも力を入れ、これらの地域の課題解決に向けて住民同士で意見を出し合い、問題点や改善点をワークショップ形式で話し合う企画を行っています。

活動目的

震災後、小学校の閉校や集団移転などにより地域の過疎化・高齢化が急激に進みました。農村の文化や伝統を活かしながら、どのようにコミュニティと暮らしを持続させるかが重要となってきます。

お祭りなどの地域行事や豊かな地域資源、文化・伝統を継承し、持続可能な隣近所で交流が盛んで、人と人とのつながりが強い農村コミュニティの形成を目指します。そして、地域福祉(誰もが安心でき、住み慣れた地域の中でいきいきと暮らせるよう行政や事業者、地域住民が団結して支え合うこと)の形成にも取り組んでいきます。

なぜ住民が主体となっていかないといけないのか

地域おこしの主体は私たちReRootsではなく、住民です。地域の住民がこの地域をどうしていきたいのかと自ら考えて行動しなければ、豊かな農村コミュニティは持続しないのです。当事者はボランティアによる支援を受け続けるわけではなく、現状からの脱却や成長が必要であり、ボランティアも一方的な慈善活動をし続けるのではなく、対象が変化し成長できるように導くことが重要なのです。この地域とともに長年寄り添ってきた住民だからこそ、深い愛着や誇りを持っています。まちづくりの原動力はまさにそこにあるのです。

活動内容

福祉調査

福祉調査は、ReRootsの学生が地域住民のご家庭を訪問し、日常生活における困りごとや地域に対する思いなどを聞き取りながら、高齢者の見守りをする活動です。調査結果は、今後の地域おこしにおける企画や町内会長、行政などにも共有することで、地域福祉の世論形成を高めています。

事例研究

地域福祉の形成に伴って、主に「移動問題」、「配食サービス」、「空き家問題」、「有償ボランティア」、「介護予防」の項目に取り組んでいます。事例研究の項目は完全に切り離して考えることはできません。沿岸部では、高齢化に伴う免許の返納やバスの本数が減らされるといった問題があり、買い物や趣味などの用事で出かけるのにも不便になっています。移動に不便が生じると外出自体の機会が減少して体を動かさなくなったり、買い物へ行くことが困難になったり、配食サービスや介護予防などの問題に繋がるのです。
他地域ではどのような対策を行っているのか、どうすれば若林区沿岸部に応用できるかなどの研究を行っています。
また、町内の協議会と協力して福祉調査の意見を反映させるなど、事業所への訪問を行っています。

福祉ワークショップ

福祉ワークショップでは、安心・安全に暮らせる地域福祉の仕組みづくりを地域住民とともにワークショップ形式で考えていく企画です。福祉調査や事例研究をもとに地域の問題に対して今、そしてこれから何が求められてくるのかを把握し、住民と一緒に考えていくことが非常に重要になってきます。